「改元イヤー」となった2019年。耳慣れなかった「令和」の響きも、今では自然に聞こえてくるのだから、不思議なものだ。

 八幡平市は、合併前の旧松尾村が全国植樹祭、育樹祭の会場だったことや、旧安代町での国体開催などを通じて皇族との縁が深い。改元に当たり関わりのあった市内の方々に取材した。

 数十年以上前の出来事だが、どの方もまるで昨日のことのように目を輝かせて語ってくれた。1984年の全国育樹祭で連絡係を務めた男性は「皇太子さま(現在の上皇さま)がお通りになる道にハチが出ないか確認したんだ」と教えてくれた。今では笑い話だが、当時は真剣そのもので対応を考えたそうだ。

 98年のいわて銀河国体で皇太子ご夫妻(現在の天皇、皇后両陛下)にそば打ちを実演した女性は、乾燥して硬くなってしまったそば玉のことを素直に打ち明け、その場が笑いに包まれたことを回想。「今でも記憶がかすむことなく、忘れることはないねえ」とうれしそうに語ってくれた。

 時を超えた泣き笑いのエピソードは、初めて聞く話ばかりで貴重な機会になった。時代の巡り合わせと、快くお話いただいた皆さんに感謝。

 (及川 慶修)