物事を続けることが昔から苦手で、一途に何かを続けている人には得も言われぬ強さを感じる。

 奥州署管内で遺体の死因や死亡時刻を判定する検案医を務める今野譲二さん(67)は、9月に検案件数が2千件を超えた。

 診療との両立や昼夜を問わない検案、そして日常的に人の死と向き合い続けること。あらゆる面できつそうな業務だと感じたが、今野さんは「医師として当然の責務。やめたいと思ったことはないよ」とさらり。自らの使命へ迷いのない口ぶりが心に残っている。

 12月には県「食の匠(たくみ)」の渡辺貞子さん(91)に、奥州の郷土料理「はっと」作りを教わった。

 てきぱきした立ち回りや生地を力強くこねる姿は90代には見えない。食べる物は調味料に至るまで手作りにこだわり、旬の食材を使ったバランスよい献立を欠かさないという。「そういう食生活を何十年も続けてきたから私は元気なの」と話す笑顔から、日々の習慣の積み重ねの大切さが伝わってきた。

 さまざまな「続ける」人たちの心(しん)のある姿に触れた1年。自分も来年は日々の会話を大切にし、粘り強い取材をこつこつと継続できる年にしたい。

(大森葉月)