大勢が熱狂したラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の閉幕から約1カ月。大会の盛り上がり、成功を支えた存在として「にわかファン」が注目されたが、取材を通じて釜石市に思いを寄せる多くのファンに出会った。

 台風19号の影響でファンゾーンの全イベントが中止となった10月12日。雨がっぱ姿の女性2人がたたずんでいた。話を聞くと県外から列車を乗り継ぎ、大船渡市内からはタクシーを使って、やっと着いたという。試合開催の可否にかかわらず、「釜石に絶対に来ようって話していたので」と晴れ晴れしい表情だった。

 W杯後、釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで最初の試合が行われた11月16日。取材したのは、中止となったW杯試合を観戦予定だった男性。「ここで試合が見たい」との言葉に釜石とラグビーへの強い思いを感じた。

 どんなきっかけでも関心を持ち、人や地域が「ゆるく」でもつながり続ける。それは地域の強みであり、魅力の一つだ。W杯を機に生まれた釜石ファンをさらに増やすためにも、取材は「にわか」でも「ゆるく」でもなく腰を据えて取り組み、地域の情報を発信し続けたい。

(川端章子)