女性のキャリア形成や社会参画を促す「学びの場」が求められている。出産・育児などによるブランクは、就業や働き方に与える影響も大きい。企業内教育にとどまらず、大学や教育機関が主体となって学びを後押しする動きが広がっている。

 岩手大男女共同参画推進室が本年度実施したプログラムは、県内企業や行政機関から若手・中堅の約30人が参加。地域の女性リーダー育成を目指して計4回、講義とグループワークを繰り広げた。好事例を共有し、多様性のある社会へ意識を問い直す内容だ。

 10月下旬の最終回では全員がスピーチに臨んだ。「人生を変えるのは自分次第」「機会が巡ってきたら挑戦する」「学びを生かして、ロールモデルとなれるよう働きたい」などエンパワーメントを感じさせる言葉が並ぶ。業種を超えた出会いも育んだ。

 だが、こうした場に職場の理解があって参加できる人は限られる。学びを深めた本人の満足感だけでなく、組織や地域の中でどう生かしていくのかも視点になるだろう。

 人生100年時代を見据え、政府は社会人の学び直しに力を入れている。バブル崩壊後に学校を出た就職氷河期世代への支援など、ターゲットはさまざま。女性が個性や能力を発揮して働けることもその一つだ。管理職育成などキャリアアップだけを目的とすることではない。

 出産を機に仕事をやめる女性は約半数に上り、離職期間が長くなるほど再スタートにエネルギーもいる。個人の価値観は尊重しつつも、各段階に応じた適切な教育機会の提供や就業・起業の支援、あるいはフォローまで、「いつでも学べる」切れ目ない環境が必要とされているのだ。

 人、情報が集積する知の拠点として大学が先導する役割も大きい。地域事情に応じたニーズを見極め、いかに働き掛けていくのかが問われる。

 岩手大の宮本ともみ副学長・男女共同参画推進室長は「女性活躍推進の風は動いており、翼を広げてもらいたい。地域を巻き込み、地域を活性化する学びへ。参加したいと思われるプログラム充実が課題だ」と捉える。

 一方、企業側の認識はどうだろうか。人手不足や非正規雇用が増え、従来型の雇用慣行が揺らいでいる。それとともに、職場訓練など企業内教育が転換期にあると言われている。

 とすれば、人材育成になおさら工夫が必要だ。教育は費用も時間もかかる投資であり、社会人の学びとて同じ。本人のやる気だけでなく、職場や周囲の意志と協力が欠かせない。地域など外部にある教育資源の活用も、大きな選択肢になってくるだろう。