自然災害の影響や老朽化などで、一時は全4宿泊施設が休業していた雫石町の滝ノ上温泉が復活に向けて歩みだした。「滝観(りゅうかん)荘」が今年、ゲストハウスとしてリニューアルオープン。来年以降はもう1施設の復活と、地熱発電事業も計画されている。現在唯一営業する滝観荘の岩岡重樹代表取締役(65)は「近くて遠い温泉郷を再生させ、地域の活性化を図りたい」として、秘湯の再興へのろしを上げる。

 同温泉は十和田八幡平国立公園内にあり、三ツ石山や烏帽子(えぼし)岳(乳頭山)への登山の要所。周辺では蒸気が噴き出し、鳥越の滝など雄大な自然が味わえる。

 滝観荘は7月、ゲストハウスとして再開。素泊まりのみでテレビや時計はなく、葛根田(かっこんだ)川のせせらぎを聞きながら、キッチンで自ら食事を作るなど湯治風の居心地を楽しめる。老朽化で2011年の東日本大震災以降はほとんど営業していなかったが、登山客らのニーズに応えて改修。Wi―Fiの環境も整えた。

 同温泉で山小屋の風情が愛された滝峡(りゅうきょう)荘は4年前から休業したまま。滝峡荘の経営も担う岩岡さんは、来年以降の再建を計画し、源泉の井戸の余剰熱を使った小規模バイナリー発電事業も構想する。再生可能エネルギーを学べる環境学習の場とするほか、外国人客らの訪問も展望する。

 滝観荘の日帰り入浴(午前10時~午後5時)は大人700円、4歳~小学生300円。宿泊は要予約で1室1人7千円~。同温泉に接続する県道は、15日から冬季通行止めに入る。問い合わせは滝観荘(019・656・1866)へ。