【仙台支社】国際将来加速器委員会(ICFA)のトップ、ジェフリー・テイラー議長(64)=オーストラリア・素粒子物理学卓越研究所長=は仙台市内で岩手日報社の単独インタビューに答えた。国際リニアコライダー(ILC)建設候補地の東北で3年ぶりに開かれた国際学会について「世界の研究者が建設の必要性を再確認し、技術の進展もあった」と成果を強調。ILC誘致の可否を検討する日本政府には国外に検討状況を示すなど前向きな姿勢を求めた。

 同市では1日までの5日間、ICFAの実動組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)が、本県の北上山地(北上高地)が建設候補地とされるILCの関連技術などをテーマに、国際学会リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)を開いた。

 テイラー氏は同学会で、ILCに導入される粒子ビームの加速装置の性能改善など多様な研究成果が報告されたことを挙げ「コスト削減に向け、技術面での進展が多く見られた」と説明した。

 2016年の盛岡市以来となる東北開催に「研究者が地元の声を聞くなどして絆を強められた」と評価。今回、日本でのILC建設を推進する「仙台宣言」が採択されたことについては「参加者が(過去最大規模の)400人を超える中の採択で、世界の多くの研究者がILC実現を望んでいる」と意義を強調した。

 日本政府は国内誘致の可否を検討する上で次期欧州素粒子物理戦略(20~24年)を注視しており「ILC計画が登載されるためには、日本が欧州戦略の草稿会議が始まる来年1月までに、どこまで検討を進めているかについて具体的な情報を欧州に示せるかが大切になる」と指摘した。

 中国などでも大型加速器構想が検討されているが「中国は国家プロジェクトだが、ILCは最初から国際プロジェクトで(他国との)協力関係もよく計画されている」と違いを強調。地元の東北には「日本政府に誘致への期待を強く伝えることがいま一番重要だ」と語った。

 ICFAは世界の主要な加速器研究所の所長らで組織され、テイラー氏は18年1月、議長に就任。LCWS出席のため来日して東北に滞在中で、3日は一関市大東町のILC建設候補予定地を視察する予定だ。