リレーエッセイ イワテライフの楽しみ方

村澤真澄さん第3回(全4回)

 
出産した「ひ孫娘牛」を祝う主人

 今でこそ「牛飼い女子」として自分を紹介しますが、子供の頃はお手伝いが大嫌いで、「絶対牛飼いにはならない」と思っていました。ただ、我が家の牛乳が好きで、それが無くなる…と考えた時、ものすごく淋しい気分になり、「主人と一緒なら」と牛飼いになることを決意。子牛の哺乳から、だんだん育成牛や搾乳牛のエサやりを教わり、牧草やデントコーンの収穫期の多忙さを1年ごとに経験し、年間スケジュールを身体で覚えていきました。

 そんな中、「将来のために勉強したい」と主人が両親へ願い出て、北海道へ行くことに。そこで私は初めて、朝晩150頭の「パーラー搾乳(複数の乳牛を搾乳室に集める搾乳法)」を担当。搾乳に慣れ、特徴ある牛たちに愛称をつけるうちに、牛飼いの仕事が少しずつ楽しくなっていきました。その後葛巻へ戻ると、子牛だった牛たちは出産を経て搾乳牛になり、さらにその娘牛も同居、という不思議な再会を果たします。ふと「孫娘牛も搾乳できる?」と思った気持ちが、「繁殖への興味」となりました。乳牛は出産しなければ乳を出しません。乳を出している時期に次の出産を考慮して授精をし、妊娠させ、乳を出すことを休ませて出産を迎える、という流れで管理します。その結果、四世代同居の搾乳に成功しました!

今月の人 村澤真澄さん
農家。1979年葛巻町生まれ。山形大学農学部卒業後、県立高校に講師として勤務。結婚を機に実家へ就農し、2016年3月、牛飼い女子「プエラリエワンズ」を設立。