「待っている」。アフガニスタンの女性からメッセージが届いた。すぐそこに向かうのが、さすが現場主義の緒方貞子さん。日本人初の国連難民高等弁務官として各地の現場を駆け回った

▼紛争で荒れ果てた国の復興に際し、女性支援に力を入れた緒方さん。2003年、国連女性開発基金(ユニフェム)の日本国内委員会10周年記念大会の講演で、アフガニスタンの女性たちとの交流を振り返った

▼向かった先は大きな家の2階。女性たち60~70人が待っていた。読み書きできる人を聞くと、ほとんどいない。「働く場がない」「長老支配があり、家の中でしか動けない」「外に出て男性とまじって物事を相談するようなことができない」との訴えも

▼緒方さんは講演で、こうした厳しい現実を紹介。復興の国づくりを進める上では、女性の識字率向上をはじめ、ボトムアップで女性の権利を確立する必要性を強調した

▼自然災害でも、女性の支援、復興過程への女性の主体的参画が欠かせない。東日本大震災被災地で、女性が傾聴ボランティアに励んだり、新たなまちづくりに向け積極的に発言する姿に、大きな可能性を感じる

▼緒方さんは10月死去。07年、対談で「社会貢献の方法は多様化し、女性活躍の道も広がっている」と話していたという。思いを受け継ぎたい。待っている女性は多い。