もはや関係性は明白になっていると言えるだろう。近年日本で相次ぐ「未曽有の」台風や豪雨被害と、地球温暖化の進行だ。

 世界規模で見ても、洪水や火災、干ばつが増加。国連防災機関の水鳥真美事務総長特別代表は「気候関連の災害は過去40年で倍以上に増えた」と指摘している。

 日本で感じるのは、回数の増加とともに猛威の大きさだ。「記録的な豪雨」が毎年のように襲いかかる。

 1カ月前の台風19号は、それをまざまざと見せつけた。100人近くの死者・行方不明者を出し、堤防決壊などで深刻な事態をもたらした。

 本県でも3人の命が奪われ、多数の住宅被害が発生。道路や鉄道の交通インフラが寸断され、農林水産業なども多大な損害をこうむった。

 強烈な台風となる要因に高い海水温がある。温暖化の影響は否定できない。大気がもたらす脅威は高まっている。

 危機は「足元」からも忍び寄る。海面水位の上昇だ。

 気象学の専門家によると、水位上昇の大きな要因は以前は温暖化に伴う海洋の熱膨張だったが、現在は氷床や氷河の減少による影響が上回るようになったという。

 加速する水位上昇は、海抜の低い国や地域を存亡の危機に陥らせる。それは日本の沿岸にも及ぶことになる。昨年、関西空港が台風による高潮のため浸水し、機能がまひしたが、そのような事態が増えていく恐れがある。

 温暖化の主因は温室効果ガスだ。その中でも割合が大きい二酸化炭素の大気中濃度は確実に上昇。気象庁の重要観測点、大船渡市三陸町綾里の濃度を見ると、2018年の平均値412・0ppmは過去最高だ。測定を始めた1987年から17・2%も増えた。

 化石燃料などに由来する温室効果ガス削減の必要性は明らかなはずだ。企業活動や消費行動に関わる誰もが危機感を持って取り組まなければならない。

 防災においても危機感を強めて向き合いたい。住む場所がどのような自然条件にあるのかを知ることが命を守ることにつながる。自分の命は自分で守ることが重要だ。

 とはいえ、国や自治体は自己責任論を押しつけてはならない。水害被災地を見ると、もともと危険だった場所に住宅地が開発されたケースが目立つ。同じ轍(てつ)を踏まないような土地利用規制が必要だ。

 「人類は地球温暖化による『気候の緊急事態』に直面しており、このままでは経済や社会に破局的な影響が生じる」と警告する論文に世界153カ国の科学者約1万1千人が賛同、生態学の専門誌に発表された。厳しい現実と向き合う覚悟が問われている。