「東京の暑さを味方にしてほしい」。日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦さんが東京五輪代表に決まった選手への期待を口にしたのは先月6日のことだ

▼一関市花泉町で開催されたロードレース大会での一言。この発言から1カ月もたたぬうち、マラソンと競歩は札幌開催で決着した。「急に札幌に行けと言われても」と困惑するのは無理もない

▼開催地を巡って揺れたのはこちらが先だ。東京五輪閉幕の翌日に開幕を迎えるインターハイ。当初、北関東4県が舞台だった高校スポーツの祭典は紆余(うよ)曲折の末、全国21府県にまたがる異例の分散開催となった

▼北関東の暑さが原因ではない。五輪の余波を受け、会場と宿泊施設の確保が難しくなった。深刻さの度合いは五輪の比ではない。開幕が9カ月後に迫ってなお、危機的な資金不足から脱せないまま

▼当初、開催予定ではなかった自治体に負担を求めず、北関東4県に肩代わりさせるわけにもいかない。経費節減のため釜石市が会場のボクシングは出場選手を大幅削減する方向だ

▼不足額は1億円に満たない。都が暑さ対策でマラソンコースに施す遮熱舗装の予算300億円に比べれば、微々たるもの。その0・1%だけでも、回せないものか。毎年、酷暑と闘ってきた高校生に舞台だけはいつも通り用意してあげたい。