世界に衝撃を与えたパリ・ノートルダム寺院の大火災に続き、日本の世界遺産でも大規模な被害が発生した。那覇市の首里城正殿などが全焼した火災を受け、国内の他の世界遺産の地元にも緊張感が走った。木造建築が多い日本の文化財建造物はこれまでもたびたび火災に見舞われており、関係者は「人ごとではない」と口をそろえた。

 世界遺産「平泉」(平泉町)の中尊寺では、国宝の金色堂や重要文化財の経蔵があるエリアに複数の放水銃を置き、建物の周囲に水膜を張る「ドレンチャー」も配備。初期消火や観光客の安全確保のため自衛消防隊も組織しており、古くなった消防車を今年更新する予定だ。

 中尊寺は1337年の火災で多くの堂塔を焼失した経験がある。寺の担当者は「木造の寺院は歴史的に火災との戦い。夜間も警備員を配置し24時間即応できるようにしているが、改めて態勢をチェックし万全を期す」と話した。

 世界最古の木造建築として知られる世界遺産・法隆寺(奈良県斑鳩町)では1949年、金堂壁画を焼損する火災が発生。寺は長年、火気の取り扱いに細心の注意を払ってきた。地元消防などと年2回の防火訓練も続けている。

 大野正法執事は「首里城の火災は人ごとと思えない。気を引き締めて対策をしなければ」と語った。