改選後初の定例会となる県議会9月定例会が、きょう幕開けする。9月の知事・県議選で入れ替わった議員による本格論戦が始まる。

 県議選では、20~30代の新人が5人当選した。現職の30~40代も少なくない。経験豊かなベテランの存在とともに、議会の年齢構成はバランスが取れた感がある。

 議員はそれぞれ、岩手が直面する難題である人口減対策を選挙で訴えた。人口減時代に地域の医療や教育、産業をどう構築するか。世代の声を反映させてほしい。

 一方、定数48のうち女性議員は7人にとどまった。人口減時代には働き方や子育てで女性の意見が一層大事になる。女性候補をさらに増やす政党の努力を望みたい。

 議会勢力は、4選した達増知事を支持する野党系と、一線を画す自民党などが拮抗(きっこう)した。だが知事に近い第1会派・希望いわてが議長、第3会派・いわて新政会が副議長のポストを得た。

 選挙前と同じ構図になり、達増知事の県政運営は安定したと言える。一方、慣例通り第2会派・自民党から副議長を出す案は通らず、今後に火種を残した形だ。

 共産、社民両党を含む4野党の支援を受けた達増氏は知事選後、自らを「容共容社の保守」「ニュータイプ知事」と呼んだ。そうした政治スタンスも論議となろう。

 行政面では、一部の県内市町村から県との意思疎通を巡り不満の声が出ている。選挙戦で達増氏は対立候補から厳しい批判を浴びた。

 県と市町村の連携は、医師の不足や偏在、厚生労働省が示した公立病院の再編といった問題の対応で重要性を増す。国際リニアコライダー(ILC)の実現にも大切なのは言うまでもない。

 選挙戦で達増氏が再三強調したのは「市町村と連携し、国を動かす」ことだった。それが円滑に進むか、県議会の点検は欠かせない。

 県政のチェックとともに、県民の「代表」である県議会自らの形も問われる。今県議選は8選挙区が無投票で、戦後最も多かった。

 選択の機会が奪われると、仕事ぶりが見えにくい県議の存在はさらに遠くなる。ひいては県政への関心が薄れ、知事と県議を共に直接選ぶ二元代表制を危うくしよう。

 今の定数48と16選挙区について、県議会の検討会議は早期に在り方を探るとしている。無投票になりがちな1人区などで「代表」の形はどうあるべきか。人口減の中、結論を出さねばならない。

 議場での議論も、若者が関心を抱き、傍聴したいと思う形には程遠い。慣例や伝統を尊重しつつ、新しい論戦の在り方を探る努力も求めたい。