米大リーグがポストシーズンに入って頂点を目指した戦いを繰り広げる中、県人大リーガー2選手は来季を見据えてオフシーズンを過ごす。

 2年目のエンゼルス大谷翔平選手(花巻東高出)と1年目のマリナーズ菊池雄星投手(同)はともに「悔しいシーズンだった」と振り返る。実力からすれば満足なシーズンではなかったかもしれない。

 それでも、着実な歩みを見せた1年だったと言える。積み重ねた経験を糧にして、来季はさらにステップアップしてもらいたい。

 大谷選手のプレーを目の当たりにして、そのすごさを実感した。今季最後のホームランとなった18号はそれを象徴する。快音を残して右翼席へ一直線に飛び込んだ打球の速度は、メジャー自己最速183キロを記録した。

 膝を痛めながらということに驚かされる。この試合をもって今季の出場を終え、手術に踏み切った。もし万全だったら、昨季の22本を上回る本塁打を量産したのは確実ではないか。

 打者専念の今季の打撃成績には多くのファンが注目していただけに、残念な思いもする。それでも所属球団における存在感は揺るがない。グッズ販売などでも人気はトップを争い、実力と併せてチームの「顔」となっている。

 左膝手術は無事に行われ、昨年メスを入れた右肘も慎重に回復が図られてきた。低迷するチームの浮上は、投打二刀流の完全復活にかかっている。来季はポストシーズンで戦う姿を見たい。

 菊池投手は2桁勝利も期待されたが6勝にとどまった。やや物足りない感じがするのは否めない。

 不運な面もあった。日本のプロ野球に比べて大リーグは登板間隔が短く、そのため一定の球数をめどに早めの投手交代が行われる。好投しても救援陣の不出来で勝ち星が消されたケースがシーズン序盤何度か見られた。打線の援護も十分ではなかった。それ故に初白星はデビューから1カ月かかったが、序盤に白星を重ねていれば波に乗れたかもしれない。

 それでも32試合に登板、先発ローテーションを守ったことは評価される。チームは再建途上で、本格派左腕にかかる期待は大きい。大リーガーと対戦して得た課題を、クレバーな投手がいかに克服していくか見守りたい。

 球史に刻まれるシーンにも出合った。デビュー戦がイチロー選手の引退試合。感動的なラストゲームを共にしたことは、野球人生の中でかけがえのない財産となろう。

 大谷、菊池両選手の存在は野球だけでなく本県スポーツ界の励みだ。一層の飛躍を期待したい。