本紙8月17日付の「街路樹に鳥の大群」、9月5日付の「ムクドリ対策にヒント」を読んだ盛岡市民から、自分もムクドリの大群を目撃したとの情報が特命記者係に寄せられた。追い払っても違う場所に群れで移動するため、人間との〝いたちごっこ〟が続く。県立大名誉教授で東北鳥類研究所の由井正敏所長(75)は人との共存を図るため「人のいない場所に、ねぐらとなる林をつくることが有効」と提案する。

 今回寄せられた目撃情報は、同市向中野の街路樹。これまでの矢巾町南矢幅、同市津志田に続き3カ所目となる。いずれも夕方から街路樹や立木に群れでとまり、鳴き声やふんの被害がある。枝切りなどで一時的に姿を消した場所もあるが、別の場所で目撃されている。

 由井所長によるとムクドリは4月ごろ、卵を産むためつがいで木の穴や木造住宅の隙間などに巣を作る。ひなが巣立つ5、6月ごろから小集団となり、徐々に大きな群れへと拡大。冬場は餌を求めて関東まで南下することもある。

 安全に身を隠すため〝ねぐら〟は葉が茂った木々を選ぶ。日の出とともに虫や木の実などの餌を求めて一斉に各地に飛び立ち、夕方に集まって夜を明かす。

 相次ぐ目撃情報に由井所長は「フクロウやタカなど天敵のいる山ではなく、安全で餌のある市街地に出てきたため目にする機会が増えた。盛岡市から矢巾町にかけて5千羽ほどいるのではないか」と分析する。

 ムクドリは害虫駆除など有益な部分もあるため「人間の生活エリアから離れ、外敵からは身を守ることができる大きな川沿いや川の中州にねぐらとなる林をつくり、共存を目指すことが最も望ましい」と指摘。「安全だと分かると広域からムクドリが集まるだろう」とみる。