【仙台支社】加速器将来計画欧州委員会のヨルゲン・ドホント議長(41)=ブリュッセル・大学間高エネルギー研究所長=は仙台市内で岩手日報社の単独インタビューに答えた。国際リニアコライダー(ILC)の日本誘致の行方を左右する次期欧州素粒子物理戦略(2020~24年)について「日本政府が他国と真剣に交渉すれば、戦略登載の可能性が高まる」との見解を示した。

 国内誘致の可否を検討中の日本政府は来年策定される欧州戦略を注視している。策定の主要メンバーの一人であるドホント氏は「欧州では(ヒッグス粒子を量産して特性を解明する)ヒッグス・ファクトリーの建設が最も重要だと合意している」と説明。

 本県の北上山地(北上高地)がILCの世界最有力の建設候補地とされる中「日本が実現に向け他国と真剣に交渉を始めれば、欧州も本格的な参画を真剣に検討することになる」とし、戦略登載のためには日本の積極的な行動が重要だと指摘した。

 大型加速器構想が中国などで検討されているが「ILCは世界の他計画と比べて最も成熟している。世界の目は中国ではなくILCに向いており、日本は実現へ最善の努力をすべきだ」と重ねて強調。

 先進地の欧州合同原子核研究所(CERN、スイス)の周辺地域が立地を機に発展した歴史に触れ、地元の東北には「ILCができれば同じ効果がもたらされる。住民、そして政治家に十分理解してもらうことが重要だ」と述べた。

 同委員会は欧州の物理学や加速器などに関わる研究者組織で、ドホント氏は18年1月、議長に就任。仙台市で開催中の国際学会リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)で来日した。