大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業が来年4月から国の環境影響評価(環境アセスメント)の対象となる。急増する一方で対策の遅れが指摘されていたが、ようやく実施される。

 県は先ごろ、対象面積について国の基準より厳しくする方針を県議会で示した。環境への配慮が進むことが、発電施設と地域社会の共存前進につながってほしい。

 太陽光発電所が次々と設置されるようになったきっかけは、東京電力福島第1原発事故後、脱原発を目指す中でスタートした固定価格買い取り制度の導入だ。

 太陽光は導入時、高価格に設定された。また、設備規模が多様で設置も容易であることから、再生エネの中では導入量が突出している。

 しかし、出力が1千キロワット(1メガワット)以上のメガソーラーを巡っては環境面で地域住民との摩擦が相次ぎ発生している。建設用地確保のための大規模な森林伐採、土砂災害の発生、発電設備による周辺の景観阻害などだ。

 本県では、遠野市の建設現場から赤土を含んだ泥水が大量に流出し、川を汚染した被害が記憶に新しい。

 環境アセスの対象となることで未然に防ぐ手だてが図られる。国が義務付けるのは出力4万キロワット(事業面積では100ヘクタール相当)以上。アセスの要否の個別判断対象は3万キロワット(同75ヘクタール相当)以上だ。

 県の方針は、義務付け対象の面積を50ヘクタール以上に、要否個別判断の対象は20ヘクタール以上とする。既に条例で実施している他県の例を参考に、国よりも規模要件を厳しくした。

 環境への負荷発生に一定の歯止めを掛ける環境アセスだが、対策はそれにとどまってはなるまい。事業者は責任を持って継続的に経営し、行政はしっかり監視しなければならない。

 国の検討会も「(アセスは)一定の手続きを定めた規定であり、それのみで全ての問題が解決するというものではない」と指摘し、他の法律や条例による規制措置などの組み合わせた総合的施策を促している。

 ところで、国は固定価格買い取り制度を見直すことにしている。メガソーラーは将来的に買い取り対象から外される方向だ。設備コスト低下により「競争電源」と位置付けられ、電力卸市場などで売買される。

 環境アセスの導入、そして買い取りの見直しは、発電施設設置に影響を与えよう。太陽光にとって転機となるかもしれない。

 再生エネを巡っては送電網の整備という課題もある。普及へはエネルギー業者の努力とともに国のエネルギー政策の再構築が求められる。