台風19号の豪雨で田野畑村沿岸部の県道が寸断され、住民らが内陸部への遠回りを余儀なくされている。11月に控えるアワビ漁など漁業への影響も懸念されるほか、三陸道建設の資材運搬ルートも遮断され、国が県道の応急復旧を急ぐ異例の事態となっている。

 同村机の主婦小長根香奈子さん(68)は、県道の寸断で最寄りの郵便局に遠回りしていくより、普代村の郵便局へ行く方が早くなった。アワビの口開けを前に「羅賀で毎年アワビの身をむく手伝いをしてきたが、遠くて行けない。早く直してほしい」と訴える。

 同村では明戸-机間と松前沢の県道が複数箇所で流失し、南北の移動に支障が出ている。明戸地区には三陸道の橋脚建設に用いる生コンクリート(生コン)製造工場があるが遠回りを余儀なくされている。三陸国道事務所によると、生コンは工場を出て90分以内に使用しなければいけないが、迂回(うかい)だけで約1時間かかるため現地に間に合わない恐れもある。

 県の復旧工事を待っていては来年度の三陸道利用開始に間に合わない恐れがあるため、21日から国が資材運搬路として一部の応急復旧を始めた。