国際リニアコライダー(ILC)誘致を目指す高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)は2日、国際作業部会の提言書を公表した。最大5830億円とされる本体建設費(労務費を除く)のうち土木建築費(全体の22%)を建設先の日本が負担すべきだと提案。実験装置の加速器関連は利用国との国際分担を促した。日本政府に関係国協議で参考にしてもらう。

 KEKは5月、日米、独仏、インドの研究者7人で部会を設置。ILCの費用分担や運営組織の在り方などをまとめた。

 加速器の初期整備延長20キロの場合、文部科学省有識者会議の試算では本体建設費が6350億~7028億円で、うち労務費は1198億円。土木建築分に当たる22%分は「ホスト国である日本の責任」とした。

 その他の加速器部分(試算で4042億~4540億円)は「ILC研究所に参加するメンバー国で分担」を求めたが、負担割合には踏み込まなかった。

 運転開始後に要する年366億~392億円の経費については「国際分担することを政府間で合意しておくべきだ」と促した。

 建設準備期には各国研究機関で準備研究所を設け、KEKをホスト研究所として政府間交渉の補佐も行う必要性を指摘。政府間合意が成立後は正式なILC研究所に移行し、加速器の建設、運転について「長期的責任を負う」とした。

 提言書は文科省に提供済みで、作業部会委員長の岡田安弘KEK理事は「今後の政府間での意見交換や研究機関による準備の場に役立ててくれると考える」と語る。