民間企業の課長相当職以上に女性が占める割合は、11・2%(2018年)。政府目標の「あらゆる分野で20年までに30%」には遠い。しかし、女性活躍推進を経営戦略に位置付け、管理職らリーダーを積極的に育成・登用する動きも始まっている。

 「30%クラブジャパン」は女性役員の比率を押し上げようと活動する英国発のキャンペーンだ。30%とは、意思決定で影響を及ぼすことができる数字という。人材、価値観の多様性を生かし、競争力向上を狙う。

 同クラブには大企業トップがメンバーに名を連ねる。会長の魚谷雅彦・資生堂社長は「リーダーである私が率先して変わる」とのメッセージを強調。トップの明快な姿勢が重要だ。

 働く女性は3千万人を突破した。20代後半から30代にかけて労働力率が低下する「M字カーブ」は年々、底上げされているが、なお第1子出産を機に半数が離職する。

 深刻な人手不足で、働き手として期待される女性。仕事と育児・介護の両立支援は喫緊の課題であり、やめずに働き続けられる環境づくりに国、企業ともに懸命だ。待機児童など解消は道半ばだが、女性の育児休業取得率は伸び、復職を後押ししている。

 就業継続という点での働きやすさが進む一方、働きがいはどうだろう。キャリアを積んで能力やスキルを高める成長の機会を、こうした世代が同じように得ているとは限らない。根強い性別役割分担意識もあり、共働きであっても働き方を変える多くが女性という現実だ。

 残業ができないなど時間的制約があるからと女性自身が遠慮し、企業側もまた配慮する。責任ある仕事が難しいとなれば、おのずと評価や、本人の意欲、自信も減退しがち。こうしたジレンマを抱える世代を適切に支援する取り組みが、次のステップにつながる力となろう。

 多様なロールモデルの存在を知ることも大切だ。盛岡市内で開かれた講座には、20~50代の女性3人が登壇。出産、離婚、転職などさまざまなライフイベントを経てやりがいを持って働く思いを語り、参加者の共感を集めた。

 組織コンサルタントの羽山暁子さん(仙台市)は「男性がつくった組織に、女性を当てはめて働く難しさもある。しかし、女性も実現したいことや、貢献できることをきちんと語らなくてはならない。自分で決めたという感覚が人生を前向きにする」と語る。

 性別にかかわらず能力を発揮できる人材育成へ、企業の意識・働き方改革が一層求められよう。働きやすさも、働きがいも。女性活躍推進は、新たな段階を迎えている。