リレーエッセイ イワテライフの楽しみ方

富川岳さん第1回(全4回)

 
70代の友人たちと楽しむ日々(奥の左側が筆者)

 はじめまして、遠野に住む富川と申します。

 2016年春、東京の広告代理店を辞めて遠野へ移住してきました。このコラムでは、全4回にわたって遠野での生活をご紹介します。

 「生き馬の目を抜く場所」と脅された東京でしたが、慣れてしまえば居心地がよく、フェスにキャンプにシェアハウスにと20代の青春を謳歌しました。広告の仕事も、一流クリエーターとの大きな仕事は学びがあり、働きがいを感じていましたが、30歳を目前にして〝30代は意義を感じられる仕事がしたい〟と地方移住を決め、縁あって遠野に来ました。

 移住当初は真冬の寒さに心が折れ、3年頑張ったら東京に戻ろう…とこっそり思っていましたが、今ではすっかりこの土地に魅了され、世代を超えて尊敬できる方々と交流もでき、移住して良かったと心から思っています。遠野では「しし踊り」の舞い手になったり、『遠野物語』を75歳の師匠のもとで勉強したりして遠野の魅力を発信しています。東京で熱狂していた音楽ライブは郷土芸能に代わり、友人は同世代から70代になりました。都会と地方。両者は一見正反対のように見えますが、〝おもしろがる気持ち〟さえあればどこでも生きていける。遠野での日々はそんな学びを与えてくれました。

今月の人 富川岳さん
ローカルプロデューサー。1987年新潟県長岡市生まれ。都内の広告代理店を経て遠野に移住。土地の人や文化、物語の魅力を発信するプロデューサーとして活動中。