【仙台支社】国際学会リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)は28日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開幕した。東北開催は2016年の盛岡市以来3年ぶりで、11月1日までの5日間。大きなテーマは本県の北上山地(北上高地)が建設候補地とされる国際リニアコライダー(ILC)の実現で、技術向上を巡り議論を交わす。

 22カ国から加速器に関する研究者ら約400人が参加。初日は全体会議を開き、冒頭で東北大の大野英男総長は「ILC推進へ実りある議論を期待したい」とあいさつし、村井嘉浩宮城県知事は「誘致は産業振興や震災復興に大きく寄与する」と意義を訴えた。

 日本政府が誘致判断の上で注視する欧州素粒子物理戦略(20~24年)について、参加者は来年5月の策定までの作業工程を確認。国際学会を主催する国際研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)のリン・エバンス代表(英国)は「東北の強い支援を受けている。日本での建設実現に向けて協力していこう」と呼び掛けた。

 会場では、国内外の製造業55企業・団体(県内5社)がブースを出展し、製品やパネルを通じて独自の技術力を発信。ILCで用いる実験装置の架台の鋳造技術を紹介する岩手製鉄(北上市)の大久保利之課長は「岩手の伝統産業が最先端技術に生かせることを世界にアピールしたい」と語った。

 期間中は加速器や素粒子物理学の課題や展望などについて分科会や発表会を開催。1日には世界の主要な加速器研究所の所長らで組織し、ILCを推進する国際将来加速器委員会(ICFA)のジェフリー・テイラー議長の講演会を開く。日本での建設意義を発信する「仙台宣言」の採択も予定している。