久慈市は、10年足らずで3度の大災害に見舞われた。13日未明には台風19号が接近し、避難勧告が出た。支局は2016年の台風10号豪雨で床上浸水しており、会社から事前避難を厳命されていた。

 近隣の避難所の受け入れが限界に達していたこともあり、車で高台の防災公園に退避した。車体に打ち付ける豪雨と、木々を揺らし続ける強風。鳴りやまない防災通知。災害の渦中にいることがひしひしと感じられて状況が気になり、ラジオとスマートフォンで情報を得ながら、ほぼ寝ずに一夜を過ごした。

 県内で大きな河川は氾濫しなかったが、市内では小さな川が越水したり、普代村の中心商店街の裏山が崩れて大量の土砂が流れ込んだりした。

 市民らは多くが川の水位を警戒して事前に避難していたが、今回の災害は異なる形で襲ってきた。「考えていなかったことが次々起こる。災害は本当に想定通りにいかない」と改めて痛感させられた。

 自分で身を守る「自助」は防災の原点だ。だが、想定をはるかに超える災害が毎年のように起こる今、被災するのは決して自己責任ではない。予想を超える事態に直面した時、いかに犠牲者を出さずにしのぐか、社会で知恵を絞らなければならない。

 まずは一日でも早い復旧に微力ながら協力し、取材を通してさらなる防災、減災に必要なことは何かを考えていきたい。

(佐藤遼太)