ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は決勝の対戦カードが決まり、約1カ月半のロングランにわたる開催は今週土曜の11月2日、横浜でフィナーレを迎える

▼日本代表の歴史的快進撃は今なお冷めやらない。その余韻が残る中での決勝戦。ジャパンの活躍と同時に、令和の幕開けに行われる大一番に時代の変わり目を感じる。ラグビーを通して多様性とどう向き合うかと

▼「日本代表は15人が外国出身。果たして日本代表か」。こんな声を聞く。ひと昔前であれば違和感はもっと強かっただろうが、七つの外国籍の選手が集まる「多国籍軍」を素直に認めたくない意見は今なお消えない

▼「巨人、大鵬、卵焼き」。特に経済成長時代を生きた世代にとって日本チームの活躍は認めつつも、ひとくさり申したい-。そんな心境でなかろうか

▼時代遅れの美学か、新たな時代の扉か。価値観がぶつかり合い、化学反応を起こすのは時代が変わる証左でもあろう。やぼと言えばやぼな議論ではあるが、人の世はいつもそんなことで流れていく

▼「ONEチーム」。ジョセフヘッドコーチが掲げた日本チームのキャッチフレーズだ。多様性が持ち味とされるラグビーが残したレガシー(遺産)とは何か。勤勉、寛容、心一つに-。時代はいつも駆け足で人心を揺さぶるが、目指す本質はそう変わらない。