ラグビーワールドカップ(W杯)会場となった釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムは震災時、故平尾誠二さん率いる神戸製鋼チームががれきの撤去に汗した場所に重なる。今日は没後3年の命日だ

▼1次リーグを全勝で1位通過し、悲願のベスト8に進出した日本の決勝トーナメント初戦が、「ミスターラグビー」の命日と重なったのは必然だろう。選手らが、その魂とともに戦っているのは想像に難くない

▼平尾さんは、87年のW杯第1回大会から3連続出場。91年大会の対ジンバブエ戦でW杯初勝利に貢献したが、続く95年大会ではニュージーランドに17-145という屈辱的な敗戦を喫するなど、戦績は1勝8敗

▼監督として臨んだ99年大会は3戦全敗だった。本国開催を見届けることなく逝ったが、世界の壁の厚さを思い知らされた日本試練の時に、今回の快進撃に連なる基礎には平尾さんがこだわったチーム作りがある

▼外国人頼りの編成への批判を背に、ひたすら代表の資質にこだわり多国籍化を進めたのは平尾流。記録的大敗当時のニュージーランド代表だった現ヘッドコーチのジョセフ氏を日本に引っ張ったのも平尾さんだ

▼予選2位なら19日だった試合日は、1位通過で20日になった。「ワンチーム」のスローガンが開花した桜のジャージーに、平尾さんの影が重なる。勝つしかあるまい。