子どもが学校に行きたくないと言えば、うろたえる親も多いのではなかろうか。経験がある。よくよく聞けば、友達とのけんか。すれ違いが重なるうち、互いに心を固く閉ざしてしまった

▼仲直りすれば収まるだろうと模索したがうまくいかない。でも、それは大人の思い込みや都合でしかなかったかも。ずっと後になって思い至った。救いは、子どもたち自身が時間をかけ折り合いをつけたことだ

▼いじめや虐待、貧困。子どもを取り巻く環境は時に厳しい。ともすれば、問題すら見えにくい。一人で悩みを抱え込まずに相談して。そう呼び掛けるが、SOSを発信すべき状況と本人が気付けているだろうか

▼きみを強くする法律の本、とうたうのが「こども六法」(山崎聡一郎著、弘文堂)だ。8月の発売以来、話題になっている。刑法や民法、少年法などから、子どもにも関わりが深い条文をピックアップしている

▼「その一言が罪になる」「ケガをさせなくても暴行になるよ」。イラストを交え、平易な言葉で書かれており、小学校高学年以上なら読める内容だ。知識があれば身を守る力になる。そんなメッセージが伝わる

▼山崎さんのいじめ体験が原点になった一冊。子どもの世界は、大人社会の縮図に他ならない。家庭や学校、地域に。助けとなる存在が身近にあるほど、きっと心強い。