大型の台風19号に伴う県内の1次産業の被害状況が15日、ある程度明らかになった。各地で収穫間近のリンゴが大量に落ち、鶏舎の浸水でブロイラー約5万9千羽が死んだ。沿岸部ではサケの採捕場や養殖漁具の破損などが確認された。自治体や関係機関は復旧対策の前提として、被害の全容把握を急いでいる。

 県の15日午後2時現在のまとめによると、リンゴ落果を9市町で確認。花巻農協の情報を基に市が試算した被害額は同日までの落果だけで6800万円に上る。

 奥州市江刺の岩手江刺農協の管内では、14日だけで約30トンの落果リンゴが同農協に集荷された。贈答用で人気のふじが5割近く落果した同市江刺愛宕(おだき)の小沢正直さん(40)は「ジュースへの加工など無駄にしないよう何とか工夫する」と表情は険しい。

 ブロイラーの大量死は久慈市や一関市で発生。久慈市夏井町の柾木ブロイラー農場(柾木和公農場長)では、鶏舎6棟のうち5棟が50センチほど浸水し、約2万8千羽を失った。

 沿岸5市では、盛漁期を迎えるサケの採捕場が被災した。大船渡市の盛川漁協(佐藤由也組合長)は盛川に設けていた捕獲用網が漂着物で破損。佐藤組合長は「サケの遡上(そじょう)数が減る中、今後どれだけ影響が出るのか。漁協の存続に関わる」と危機感を強める。