終戦から3年後の1948年を初年に、72回目となる新聞週間が始まった。

 22日まで1週間の日程で、関連するイベントなどを通して広く国民に「新聞」に対する理解を深めてもらうとともに、報道に携わる側が、憲法に根差す報道と言論の自由を守り育てる決意を新たにする機会でもある。

 折しも東日本を縦断した台風19号が、県内外に甚大な被害をもたらしている。本紙は13日付と14日付の電子紙面を無料公開。非常時には一層、新聞の正確な情報を被災者に届ける使命を強くするのは東日本大震災が教訓だ。

 本社も被災して少ない紙面しか刷れない状況で、本紙は避難所にいる人々の氏名掲載に大部分を割く「字だらけの新聞」を連日発行。情報流通の手段が限られる中で県内外の読者の圧倒的な支持を得た体験は、全国の新聞が、新聞本来の意義と責任に目覚める契機ともなった。

 昭和の高度成長期、「新聞は読んで当然」などと言われた時代も今は昔。ネット社会の進展で情報メディアの発達は止めどなく、今や新聞が新聞というだけで、その意義を理解する世代は限られよう。

 電子メディアとの融合が課題となる新聞界にあって、紙の新聞の発行部数は全国的に人口減の先を行く。日本新聞協会の調べでは、2018年の総発行部数は3990万1576部と4千万部を割り込み、ピークだった1997年から1386万部減った。

 全国の1世帯当たり部数は08年に「0・8」と、初めて1を下回って以後も漸減傾向が続き、18年は「0・7」。「日々のニュースはネットで十分」とする風潮が拡大する現実を前に、新聞が変革を迫られるのは論をまたない。

 一方、その延長線上で世情に「情報はただ」と考える傾向が垣間見えるのは問題なしとしない。若い世代に新聞や報道に関わる話をすると、そんな反応が少なくない。

 だが、基本的に「ただ」は責任を伴わない。ニュースのプロが厳選した情報を、その価値判断とともに網羅的に読者に提供する新聞に対し、ネットでの情報取得が個人の興味や関心に偏る傾向があるのは広く指摘されるところでもある。その結果、情報社会で孤立する傾向は「たこつぼ現象」とも称される。

 個人が接する情報量は、00年前後から約10年で500倍以上に拡大。玉石混交の情報環境で、日本のジャーナリズムを支えてきた伝統メディアの代表格である新聞の使命は重みを増しているとの自覚がある。記事や論評の1行1行に裏付けを怠らず、上質な情報で公論を喚起する新聞の意義を、たゆまぬ実践とともに読者と共有していきたい。