プロ野球ドラフト会議はあす開かれる。運命の日。最速163キロを誇る超高校級右腕、佐々木朗希投手(大船渡高)には1位指名が何球団競合するか、そしてどこが交渉権を引き当てるか

▼指名が予想される球団の一つが、パ・リーグのソフトバンク。「スカウトの評価では、投手としての素材は大谷(翔平)君より上」。こう高評価する三笠杉彦ゼネラルマネジャーは釜石市生まれだ

▼父洋一さん(故人)は新日鉄釜石の元ラグビー部長。日本ラグビー協会長の森重隆さんが明治大の学生だったころ、合宿所の八幡山グラウンド(東京)まで足を運び、その熱意が森さんの心を東北へと向かわせた

▼「三笠さんは、労働部長なのに赤旗取って。出世は関係ないといった人間的な魅力があった」と森さん。日本選手権4連覇を狙った現役最後の1981年度、選手兼任で監督を引き受けたのも、洋一さんに勧められたから

▼五男杉彦さんは森さんが釜石に入社した74年春に生まれた。釜石南高から父親と同じ東京大に進み、ラグビー部で活躍。小さい頃は森さん夫妻がよく遊びに連れて行ったと、大船渡市に住む母恵子さんは懐かしむ

▼父は福岡で生まれ育った森さんを岩手に導き、7連覇の礎を築いた。一方、息子は福岡から岩手の逸材に熱い視線を送る。野球とラグビーを巡る不思議な縁である。