東日本大震災後、大船渡市三陸町綾里地区について調査を進めてきた東京都の大学教授らによる研究グループは、「津波のあいだ、生きられた村」を出版した。1896(明治29)年と1933(昭和8)年の三陸大津波、そして震災と3度の津波を経験するたびに人的被害を減らしてきた同地区の災害と災害の間の過ごし方に注目し、震災前後の地域の様子をまとめた。

 約25センチ四方の正方判で、120ページ。6章構成で、前半は昭和三陸大津波から震災までの社会や人々の仕組み、後半は震災時の様子や復興に向けた歩みを紹介。同地区の「津波のあいだ」を支えた空間と地域社会の二つの仕組みが、津波のたびに被害を減らすことにつながったほか、震災時の避難や復旧、復興にも影響を与えたとしている。

 作成に当たり、研究者と写真家計8人が2012年から約6年間調査を実施。それぞれが地元住民らから聞き取ったことなどを通じて、長期的な視点での備えの重要性や、「津波のあいだ」との向き合い方を示した。

 鹿島出版会刊、3600円(税別)。