東日本を通過した猛烈な台風19号は本県の経済活動を直撃した。宅配業者や運送業者は配送の中止や日程変更を余儀なくされ、百貨店や市場では納品が滞ったことで欠品が発生。今後は被害の大きい首都圏や甲信越地方などの青果物が品薄となる懸念も増し、卸売業者は価格高騰を警戒している。

 ヤマト運輸は台風接近に備えて県内の集荷や配達を停止。13日午後7時現在も続いており、道路網などの安全を確認でき次第、再開する。日本郵便も避難指示・勧告が解除されていない市町村の集配を止めている。白金運輸(奥州市)は沿岸部への配送日を連休明けの15日に遅らせた。海鋒(かいほこ)徹哉社長(46)は「震災の被災地域の降水量は予想以上だった」と驚く。

 物流が止まったことで、盛岡市菜園のカワトクはチラシに掲載した食品の一部が欠品。首都圏からの入荷が滞ったことも一因で、吉田昌晃係長(46)は「15日以降に商品を入荷できるのか不安だ。情報収集を進め、欠品を最小限にしたい」と対策を練る。

 滝沢市大釜の土・日ジャンボ市では、テナントに入る宮古市や久慈市の海産物業者が来られなくなったため、店頭に並ぶ魚介類が大幅に減った。

 県内では、台風被災県から供給される野菜や果物も多い。県内外の青果物を販売している日の丸青果(滝沢市)の伊藤亮三社長(76)は「首都圏から仕入れるナシはただでさえ前年比1~2割値上がりしている。長野県のリンゴや静岡県のミカンなど他の被災産地の影響がどうなるか」と危惧する。

 県南部に集積する自動車や半導体関連企業のサプライチェーン(部品の調達・供給網)への大きな影響は現時点で確認されていない。完成車製造のトヨタ自動車東日本岩手工場(金ケ崎町)は12日と13日、通常通り休み、14日から稼働する。