【インスブルック共同】ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は4日、インスブルックで伝統のジャンプ週間第3戦を兼ねた個人第10戦(ヒルサイズ=HS130メートル)が行われ、22歳の小林陵侑(土屋ホーム、盛岡中央高)が合計267・0点で、ジャンプ週間3連勝を果たし、1997~98年シーズンの船木和喜(フィット)に次いで日本人2人目のジャンプ週間総合優勝に大きく前進した。

 ジャンプ男子の日本勢で初となるW杯4連勝。今季、通算ともに7勝目で、W杯のシーズン勝利数で6勝の葛西紀明(土屋ホーム)を上回り日本男子で単独最多となった。136・5メートル、131メートルで2回ともトップの得点をマークし、2位に12・8点の大差をつけた。

 佐藤幸椰がW杯自己最高の6位、伊東大貴(以上雪印メグミルク)が15位。小林潤志郎(雪印メグミルク、盛岡中央高―東海大)は26位。中村直幹(東海大)、葛西は1対1の対戦形式で争った1回目で敗れて2回目に進めず、それぞれ31、32位だった。

ジャンプ週間総合Vへ前進

 得点表示を待つまでもなかった。最終ジャンパーとして2回目を終えた小林陵侑は、出迎えた日本チームの面々を見つけると、人さし指を立てた両手を振って喜びを表現。「2本ともビッグジャンプだった。楽しかった」。ジャンプ週間の前半2戦は僅差の勝利だったが、この日は別格の強さで圧倒した。

 強めの向かい風を受けた1回目で大観衆を驚かせた。「すごい高かった」と自賛する大飛躍はヒルサイズ(HS)を6・5メートルも越える最長不倒。着地も決めて、課題だった飛型点で58・5点という高得点をたたき出し、大きくリードを奪った。

 2回目は、宮平ヘッドコーチの判断で他の上位勢より1段低い位置から助走した。速度が出にくいデメリットをはねのけHSを上回る。スタート位置を下げたことによる加点も受け、2回目の得点も1位だった。

 2位アイゼンビヒラー(ドイツ)に45・5点差(飛距離換算で25メートル以上)をつけてジャンプ週間総合優勝争いで絶対的な優位に立つだけでなく、過去66度で2人しかいない4戦全勝の完全制覇が視野に入る。伝統の大会を席巻する日本の新エースは「驚いているけど、違和感はない」と自信に満ちた表情で言った。 (共同=土屋健太郎)