岩手日報社が2018年に行った県政世論調査で、本県の北上山地(北上高地)が建設候補地とされる国際リニアコライダー(ILC)について関心が「ある」は62・6%だった。60%台はこの質問を設けた12年以来7年連続で、前年と比べ1・6ポイント減。ILCを推進する国際研究者組織は日本政府に対し3月7日までの意思表明を求めており、政府判断への注目度は今後高まりそうだ。

 ILCについて「関心がある」は32・2%(17年調査比2・3ポイント減)、「どちらかといえば関心がある」は30・4%(同0・7ポイント増)。関心が「ある」を年代別で見ると10代が92・3%、20~70代は59・9~63・5%だった。

 一方、「関心がない」は12・3%(同1・5ポイント増)、「どちらかといえば関心がない」は16・7%(同0・3ポイント減)。「分からない・無回答」は8・4%(同0・4ポイント増)だった。

 ILCで最も期待する効果は「雇用確保や新産業創出」が32・5%(同2・5ポイント減)と最多で、経済波及効果が注目を集めている。次いで「地域の国際化や異文化交流」が17・2%(同1・1ポイント減)、「人口減少や過疎化に歯止め」が15・1%(同0・4ポイント増)だった。

 ILCに関心が「ある」は岩手、宮城両県にまたがる北上山地が国内の建設候補地として一本化された13年が68・3%と最高。その後は61~64%台で推移している。

 調査結果を踏まえ、県ILC推進協議会の谷村邦久・県商工会議所連合会長は「日本政府の意思表明につなげるために地元や経済界、政治家が国民理解を一層深める全国的な活動が重要だ。われわれも全力で取り組みたい」と語る。

 ILC計画は国内誘致の意義を検討する日本学術会議が18年12月、文部科学省に回答書を提出。学術的な意義を認める一方、国際経費分担など課題を挙げ「現状の計画内容や準備状況から判断して、誘致を支持するには至らない」との所見を示した。最終結論は政治判断に委ねられる。