大槌町の旧役場庁舎の解体工事差し止めなどを求めた住民訴訟で、敗訴した原告のおおづちの未来と命を考える会の高橋英悟代表(46)=同町・吉祥寺住職=は30日、庁舎は解体が進んでおり止める手段にならないとして、控訴断念を表明した。2月11日に町内で住民集会を開き、裁判の経過報告や今後のまちづくりについて意見交換する。

 同町吉里吉里の吉祥寺で高橋代表が記者会見し、「司法判断には疑問が残るが、問題の長期化は町民の分断につながり未来に禍根を残す」と理由を語った。

 19日から解体が進む旧庁舎はほぼがれきとなっているが、提訴のほか職員遺族が声を上げたことで、町が死亡職員の状況調査を行うなど変化もみられる。2017年に町がまとめた震災検証では、死亡職員の調査は不十分だった。