盛岡商高と盛岡白百合学園高の生徒12人は、2020年東京五輪に向けた「Culture NIPPON(カルチャー日本)」シンポジウム東北大会(文化庁主催)を昨年12月に取材し、冬休みを利用して新聞やコラムにまとめた。催しを分かりやすく伝え、登壇者の発言から受けた印象や新たな気付きを発信した。

 生徒の取り組みは、文化庁主催の「文化プログラムプレスセンター」で、中高生が取材を通して地域文化を発掘・再発見し新聞やルポ、コラムで発信する。東京五輪・パラリンピックの組織委員会が認証する「文化オリンピアード」に位置付けられている。

 両校の生徒は、岩手日報記者から取材手法や記事の書き方を学んだ後、「地域文化の魅力を伝えよう! ~2020年とその先の未来へ向かって」がテーマのシンポジウムを取材した。

 ▼岩手を再認識

盛岡商高・市橋二千翔さん、坂本芽衣さんの作品

 盛岡商高3年の新聞編集委員会委員長、市橋二千翔(にちか)さんと副委員長、坂本芽衣さんは共同で1枚の新聞を作り、パネル討論や金ケ崎町出身の声優桑島法子さんの朗読を紹介し、東北絆まつりに参加するさんさ踊りを見つめ直した。市橋さんは「参加していない人にも伝わるように心掛けた。今回学んだ記事の構成や取材手法を学校新聞に生かしてほしい」と後輩に託した。

 1年生の荒川瞳愛(とあ)さん、佐藤美友(みゆ)さん、小沢美空(みく)さん、細野鈴(りん)さん、佐々木愛奈(あいな)さんも取材執筆。桑島さんの朗読に感動したという荒川さんは「文化には祭りや芸能だけでなく、宮沢賢治などの文学作品も含まれると実感した」と再認識。ラグビー元日本代表・世界選抜の吉田義人さんに話を聞いた佐藤さんは「『若者はチャレンジできる』との言葉に励まされた。同世代の人に、岩手や東北の魅力を再発見する重要性を伝えたい」と紙面に込めた思いを語る。

 小沢さんは「五輪に向け東北の魅力をどう伝え、自分に何ができるか-を考える機会になった。簡潔な記事の書き方や取材経験を学校新聞に生かしたい」と意欲を示した。

 ▼五輪考え執筆

盛岡白百合学園高・菊池凜花さんの作品

 盛岡白百合学園高は、編集委員会の1年生5人が参加。清水あや香さんは、遠野物語ファンタジーと絆まつりに絞った紙面を制作。「紙面の関係で、興味のある地域文化の部分をクローズアップした」と情報を取捨選択。菊池凜花(りりか)さんは「学校新聞とは違い一発勝負の取材で緊張したが、新聞に仕上げられ自信が付いた」と笑顔をみせ「五輪やその先の未来に、高校生に何ができるかを考え記事を書いた」と振り返る。

 高橋彩莉さんは「ラグビーW杯が今年開催され、五輪前に岩手をアピールできることに気付いた」とし、中野栞さん、熊谷知南(ちな)さんは「積極的に東北を発信するため、自分たちが地域の魅力を知ることが大事」と五輪と古里を関連づけ考える大切さを強調した。

 

 


Culture NIPPONシンポジウム東北大会

 文化庁主催で2018年12月10日、盛岡市のアイーナで開催。オープニングで、遠野市民の創作舞台「遠野物語ファンタジー」、金ケ崎町出身の声優桑島法子さんの朗読「おらおらでひとりいぐも」(若竹千佐子さん作・芥川賞受賞)「原体剣舞連」(宮沢賢治作)が披露され、秋田県出身のラグビー元日本代表・世界選抜の吉田義人さんが「2019年ラグビーワールドカップ日本開催、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会~地域におけるスポーツが果たす役割」と題し基調講演した。東京大名誉教授の佐藤一子さんの司会で、桑島さん、吉田さん、盛岡商工会議所専務理事で東北絆まつり実行委員会盛岡開催幹事長の橋本良隆さん、クリエーティブディレクターで東京芸術大准教授の箭内道彦さん、Reborn-Art Festival制作委員の江良慶介さん、ふるさとの祭り実行委員会実行委員長の懸田弘訓さんがパネル討論。東北文化の魅力を見直し、五輪を機に発信する方策などを話し合った。

文化プログラム

 五輪憲章で義務づけられ、大会開催国で行われる文化行事。演劇や音楽、美術、文学など各国の文化を発信する。東京大会に向けては、2016年リオデジャネイロ大会終了後から行われ、全国各地で展開。芸術団体や地方自治体、国などが参画できる枠組みのプログラムで、日本文化の再認識、世界への発信などを通し文化芸術立国を目指す。