大槌町新町の旧役場庁舎の解体が19日、始まった。東日本大震災から7年10カ月余。この場所で町職員ら28人が亡くなった震災の悲しみと教訓を伝える一方、「見るのがつらい」と訴える町民もおり、震災遺構の在り方が全国的な議論となっていた。旧庁舎はついに消えるが、地域には存廃を巡り深まったしこりが残る。震災の伝承やまちづくりで同じ方向に向かって進めるか。町は新たな岐路に立つ。

 町の委託業者が午前9時20分に作業を開始。西側屋上のへりに重機が「ドン」とぶつかると、津波の威力で無数の亀裂が入り、外側に押し出されていた外壁はあっけなくめくれ落ちた。約1時間で2階の壁がなくなり、旧議場が筒抜けに。午後3時50分には西側の壁がほぼがれきとなった。

 解体は西側から進め、2月中旬ごろまでに終わる見通し。町は本年度中に整地し、災害時は「防災空地」として活用する。