19日にも解体が始まる大槌町の旧役場庁舎。解体差し止めなどを求めた住民訴訟は17日に棄却されたが、専門家らは旧庁舎に代わる遺物を残し、震災の教訓を伝える必要性を指摘した。町は旧庁舎正面から取り外した掛け時計などを保存しているが、時刻を示す針は震災後何度か動いており、止まった時刻は不明。旧庁舎の解体後に何を残し、どう伝えていくか、新たな課題が生まれている。

 東北大災害科学国際研究所の川島秀一シニア研究員(民俗学)は17日の判決を受け、震災遺物を保存し目に見える形で教訓を伝える意義を強調。「展示するだけでなく、発生当時や前後の様子を映した写真や映像とともに、語り部が案内するなど工夫してほしい」と効果的活用法を提案する。