文化面に連載している柚月裕子さんの小説「暴虎の牙」は14日終了し、宮本輝さんの「灯台からの響き」が2月1日に始まります。

 60代前半の男が分厚い本の間から妻宛ての古いはがきを見つける。30年前の日付が記されたはがきには、地図らしい線画と数行の文章が添えられていた。記憶をたどるうちに当時30歳だった妻が見知らぬ人からはがきが届いたと言っていたことを思い出す-。

 37年にわたる自伝的大河小説「流転の海」シリーズ完結後、宮本さんが初めて取り組む長編小説となります。作家としての「第2期」を公言し、円熟期を迎えた宮本さんが市井の人々の姿を通して人生の尊さを伝えます。

 挿絵は、東日本大震災後の陸前高田市などで作品制作に取り組む画家の瀬尾夏美さん(仙台市)です。

 【みやもと・てる】 1947年神戸市生まれ。77年に「泥の河」で太宰治賞を受賞しデビュー。78年に「螢川」で芥川賞を受賞した。87年には「優駿」で吉川英治文学賞、2004年「約束の冬」で芸術選奨文部科学大臣賞、09年「骸骨ビルの庭」で司馬遼太郎賞。代表作に「青が散る」「流転の海」シリーズなど。芥川賞選考委員。渡辺淳一文学賞選考委員。

 【せお・なつみ】 1988年東京都生まれ。東京芸大美術学部卒、同大学院修士課程絵画専攻修了。東日本大震災を機に東北に移り住み、2012年から3年間、陸前高田市で過ごす。17年に「ヨコハマトリエンナーレ」の出品作家に選抜された。主な展覧会に「VOCA2015」(上野の森美術館)、「クリテリオム91」(水戸芸術館)など。

岩手日報社