今季の養殖ワカメ漁に異変の兆しが出ている。県内一の生産量を誇る宮古市重茂(おもえ)の重茂漁協(山崎義広組合長)は11日、早採りワカメ「春いちばん」の水揚げを始めたが、数量は180キロで初日としては2002年のブランド化以来、最少だった。県内では海中の生物による食害が見られ「ワカメが少ない」との声が聞かれる。ワカメは近年高値を付け、生産者に恵みをもたらしてきただけに、現場は気をもむ。

 早採りワカメは3月からの本格的な漁期に先立ち、新芽を摘んだもの。この日は同漁協の工場で出荷式が行われ、150人が出席した。重茂児童館の伊藤快莉(かいり)ちゃん(6)、小野来羽(くう)ちゃん(6)が「おいしいワカメをみんなに届けてください」とトラックの運転手に花束を手渡した。

 重茂小4年の上須賀雪乃さんが「お湯に入れると緑になり、シャキシャキしておいしい」と語る「春いちばん」。昨期は約50トンが水揚げされたが、同漁協は今年は10~20トンにとどまると見込む。品質は上々だが、地元生産者の下村勝弘さん(61)は「今年は成長が遅く、種がなくなっているので今後も期待できないのではないか」と減産を懸念する。