天国の幼なじみと一緒に大人への一歩を踏みだす。大船渡市大船渡町出身の岩手医大看護学部2年、田中彩絵美(さえみ)さん(20)は13日に行われる同市成人式に、東日本大震災で犠牲となった同級生松原啓太さん=当時(12)=の遺影と共に出席する。震災発生から11日で7年10カ月。「一日たりとも忘れたことがない。きっとこれからも忘れない」仲間と、晴れの日に臨む。

 「本当に懐かしい」。昨年末に完成したばかりの遺影を手に田中さんがほほ笑む。震災当時、大船渡北小6年だった啓太さんは、スーツ姿の「成人式仕様」で写真に納まる。

 「啓太君」、「彩絵美ちゃん」と呼び合う2人は、保育園から小学校まで一緒に過ごした一番の親友。昼休みは校庭を駆け回り、雪が降ればランドセルをそり代わりにして、学校前の坂道で遊んだ。田中さんは「何でも話し合う仲。中学でもいろんなこと話しただろうな」と思いをはせる。

 啓太さんは祖父の久池井(くちい)力さん(71)、祖母まき子さん=当時(62)、兄の祐人さん=同(18)=と同市末崎町で4人暮らし。誰にでも優しい人気者だった。

 「生きていれば、きっと成人式も一緒に行っただろうな」との思いが募った田中さん。2年前に愛媛県へ移り住んだ力さんに「啓太君の遺影と一緒に成人式へ出席したい」と伝えた。