大船渡署(及川雅人署長)は9日、大船渡市赤崎町の後ノ入(のちのいり)川と周辺で東日本大震災の行方不明者を捜索した。署員8人が200メートルほど川をさかのぼり、遺骨や遺留品を捜した。東日本大震災から間もなく7年10カ月。県警の沿岸各署は行方不明者の捜索を続けている。これまで月命日には行わなかった後ノ入川での捜索活動に記者も参加した。

(陸前高田支局・小野寺唯)

 午前10時。救命胴衣やヘルメットを身に着けた署員が大船渡湾の方角へ黙とうし、レーキやスコップを手に二手に分かれて捜索を始めた。記者も道具を借りて川に入り、4人で横一列に並んで下八坂橋から上流へ向かった。

 干潮で川底が水面から出ている部分を歩き、石が転がる地面を掘り返す。すぐに腕が痛んだが、20分で幅3メートル、奥行き2メートルほどしか進んでいない。見かねた藤原克将地域課長が「遺骨は年月がたって茶色くなっている。まず目視で捜してから掘ってみて」とポイントを教えてくれた。

 同署管内の行方不明者は281人。寒風の中黙々と手掛かりを捜す署員の姿を目に焼き付け、大切な人の帰りを待ち続ける家族の存在を決して忘れまいと改めて誓った。