昨年の暮れから日本をはじめ世界の株式市場が不安定な動きを見せている。今週は多少落ち着いたものの、先行き不透明感は強い。

 始まりはクリスマスの世界同時株安だった。米国の株安を受けて日経平均株価は2万円を割り込んだ。東京市場の年末株価は今の安倍政権で初めて前年末を下回った。

 年が明けても波乱は収まらない。今年最初の取引だった4日も日経平均は急落した。週明けに2万円台を回復したが、年末から乱高下の展開を繰り返している。

 混乱の発信元は米国だった。年明けの株価急落は、米IT大手アップルが中国で販売不振に陥った「アップルショック」が世界に衝撃を与えたことによる。

 アップルは、販売が落ち込んだ理由に米中の貿易摩擦を挙げた。両国の対立が企業業績の重荷になり、米国の景気に影響を及ぼし始めたとの見方が広がった。

 一方の中国は消費の減速が鮮明になりつつある。新車販売や小売売上高は明らかに勢いを失い、製造業など企業業績も悪化し始めた。

 世界経済を引っ張る米中の先行き不安に、日本国内では悲観と楽観が交錯している。貿易摩擦のダメージが効いてくるとの警戒感がある半面、日本の企業業績や経済は底堅いとの見方は強い。

 本紙調査では、県内企業も製造業を中心に今年の景況が拡大すると見込む。海外リスクに注意は必要だが、企業心理はさほど冷え込んでいないと見るべきだろう。

 今月で日本の景気拡大は74カ月に達し、戦後最長となる見通しだ。それが続くか、失速するか、2019年はハードルが多い。岐路に立つ年と言って間違いない。

 まずは年明けからの円高ドル安への対応がある。アベノミクスの軸は円安による企業業績の改善だったが、トランプ米政権への不安から流れは変わり始めた。

 米国が利上げを見送り、中国も金融緩和を発表した。市場の混乱を主要国が金融政策頼みで抑えようとする中、既に大規模緩和している日銀の政策余地は乏しい。

 米国の利上げ路線が修正されると、必然的に円は高くなる。円高になれば企業業績が悪化するだけに、経済のかじ取りは難しさを増す。

 次のハードルは10月の消費税増税だ。消費が冷え込むのを防ぐため安倍政権は数々の手を打つが、実効性は見通せない。局面に応じた細心の経済運営が求められる。

 「最長景気」には国民の実感が伴っていない。安倍晋三首相は今年も賃上げを求めたが、経済界には消極的な声もある。賃上げの動向が景気の先行きを占うことになろう。