NIE全国大会盛岡大会で公開授業を行った盛岡市の本宮小(古玉忠昭校長、児童747人)の5、6年生は、授業以外の学習にも新聞を積極的に活用している。児童自身による記事を使った問題作りや教員作成のワークシートを週末の家庭学習に取り入れるほか、帰りの会では毎日1人が新聞を読んだ要約と感想を発表する「MY NEWS」で学びを深めている。

▼新聞で作ろう

 「新聞で作ろう」は毎月1回実施。基本的に担任が金曜日にテーマを示し、児童は週末の家庭学習でテーマに沿った記事を選び、難しい漢字を調べた上で問題を考える。週明け提出した問題は火曜日にアトランダムに他の児童に配られ宿題に。翌日、出題者が採点する仕組みだ。

 通常の日程を前倒しし8月下旬に問題を作った6年1組は今月3日、朝学習の時間に答え合わせをした。

 テーマの「夏と秋に関係すること」に対して児童が選んだ記事は、花火やサンマ初水揚げ、色づくアマランサスなどさまざま。

 サンマの記事を取り上げた佐々木心(こころ)さんは「昨年不漁だったサンマが今年は豊漁。うれしいニュースを紹介したかった」と出題への思いを語り、問題を解いた高橋杏果(もか)さんは「全部読まないと分からない良い問題だったよ」と佐々木さんに解答用紙を手渡した。

▼新聞で学ぼう

新聞記事を基に自分たちで作った問題の答え合わせをする盛岡・本宮小6年1組の児童

 もうひとつの新聞を使った活動「新聞で学ぼう」は全国大会で公開授業を行った山内和子教諭(50)が作るワークシートを解く。問題は5、6年生共通。「サマータイム」や「いじめ」といったタイムリーな記事を選び、言葉の説明や記事の内容、感想などを書かせる。

 全国大会に参加した教員が新聞活用の有効性を実感し、2学期からは4年生でもスタート。担任が持ち回りで出題し週4回宿題にしている。

 古玉校長は、学習が暗記から知識の活用重視に変化していることを挙げ「各教科で学んだ知識を横断的に関連づけたり、情報を処理したりする能力が求められている。思考、判断、表現といった力を培う学びに新聞は有効だ」と強調する。

帰りの会はスピーチ

帰りの会で和美采羽さんの「MY NEWS」の発表を聞く児童

 「MY NEWS」は、リード文(前文)の要約と感想を帰りの会でスピーチする活動。クラスごとに毎日、1人が発表している。

 6年1組の和美采羽(ことは)さんは8月29日、エアギターの世界選手権で2度目の優勝を果たした日本人女性の記事を取り上げ「2度の世界一はすごいと思った」と発表。「MY NEWSは世の中で起きていることに気づき将来役立つ知識も身に付く。みんなの発表で知らなかったニュースが分かり大好き」と笑顔を見せる。

 昨年春、5年生だけで始まった活動は、今年から高学年全クラスの取り組みに拡大。発表時間が2、3分程度と短く、話すのが苦手な生徒も積極的に取り組むなど活動は定着している。


山内 和子教諭に聞く 新聞が力伸ばす機会に

 授業以外にNIEを取り入れる本宮小の山内和子教諭に狙いや効果を話してもらった。

 教科書は各学年のレベルに合わせた内容、情報量にとどまるが、新聞記事は多様性や子どもを子ども扱いしない点でレベルの高い文章だ。しかし、子どもたちは習っていない漢字があっても何とか読みこなす。

 大切なのは「機会を与えること」。たくさん読み、考え、書かせる機会を与えれば子どもの力は伸びる。

 「新聞で作る」は、読み、考え、書く力を育む。初めは見出しを隠す簡単な問題が多いが、回を重ねるごとに全文を読み込まないと答えられない理由を問うような問題にレベルが上がる。答え合わせを朝学習や給食準備、授業の空き時間を使い簡単に行うことが持続的に行うポイントだ。

 「MY NEWS」は子どもたちが自主的に行える手のかからない活動。帰りの会で行うことで忘れても休み時間に用意できる。記事の選び方が、興味本位から「どの情報を友達に伝えるべきか」と考えるようになるなど成長がみられる。ぜひ取り組んでほしい。

(談)