カナダで開催されていた第42回モントリオール世界映画祭で3日夜(日本時間4日)、授賞式が行われ、盛岡市で撮影した中田秀夫監督の「終わった人」に出演した舘ひろしさんが最優秀男優賞を受けた。「終わった人」は、内館牧子さんの小説が原作で、舘さんは定年を迎えた元エリートサラリーマンを演じた。木村大作監督の映画「散り椿(つばき)」が最高賞に次ぐ審査員特別グランプリを受賞した。

 盛岡市で撮影した「終わった人」の主演、舘ひろしさんの最優秀男優賞受賞の報を受け、同市のロケや上映に関わった人たちは喜びに包まれた。

 同市菜園の自営業鎌田善仁(よしひと)さん(65)は、舘さんと一緒にさんさ踊りを踊るシーンにエキストラ出演した。「特訓して踊りをわが物としており、さすがだと感じた。盛岡出身の役での受賞は、特別な感激だ」とかみしめた。

 いわぎんスタジアムでのロケに参加した同市永井の会社員渡辺瑠美子さん(40)は「素晴らしい。少しでもこの映画に関わることができて良かった」と声を弾ませた。

 ロケ撮影を支援した盛岡広域フィルムコミッションの多田研三さん(68)は「玉山地区での墓参シーン撮影後、岩手山と姫神山に自分のカメラを向けていた。めったにないことだそうで、よほど心動かされたのだろう」と振り返る。

 同市菜園の映画館ルミエール2で上映している南部興行の中西栄三支配人(66)は「特にシニア層からの支持を得ていて、夫婦での鑑賞も多い。舘さんの良い意味で力の抜けた演技が共感を呼んだのではないか」と分析。20日までの予定だった上映期間の延長を決めた。