【北海道厚真(あつま)町で報道部・刈谷洋文】北海道胆振(いぶり)東部地震で被害を受けた厚真、安平(あびら)、むかわの3町で仮設住宅計130戸の建設工事が進んでいる。北海道は10月末までに整備する計画。奥州市前沢出身で、厚真町幌里(ほろさと)の工藤光子さん(81)も自宅の修繕が見通せず入居を検討する。今回の整備は全てプレハブだが、東日本大震災では防寒が不十分な建物が多く、課題を残した。本県沿岸の居住経験者は、極寒の地で被災者が安心して暮らせる建物となるよう願っている。

 36戸を建設する厚真町の表町公園では、29日も造成工事が行われた。住民が見守る中、作業員は芝生をはがした地面に盛り土した。

知人宅で長女真利光さんから自宅の状況を確認する工藤光子さん(右)。今後の暮らしは「白紙の状態」と悩む=北海道厚真町

 「どんな建物が完成するんだろうね」。長女真利光(まりこう)さん(55)が勤務する同町内の美容室に立ち寄った工藤さんは、完成後の生活を思った。

 真利光さんと暮らす自宅がある幌里地区は、大規模な土砂崩れが発生。築40年以上の自宅はひびが入った。現在は町内の三男宅に避難。仮設入居も選択肢に今後の暮らしを思案する。

 北海道は今回の第1期の仮設住宅は全てプレハブで整備する。震災で本県が整備した仮設住宅約1万4千戸のうちプレハブは半数以上だった。早期完成の優先と資材不足のために標準仕様の設備で、水道管の凍結や大量の結露によるかび発生など寒さ由来の問題が続発。追加の断熱工事や風除室設置、風呂の追いだき機能の後付けを行った。

 道は本県などで起きた問題を検証し、寒冷地仕様のプレハブを採用。全戸に風除室と二重窓を設け、通常の倍以上の断熱材を使って保温性を高める計画だ。