先ごろ札幌を訪ねた。マスコミ関係者の集会に出席するためだったが、地震発生後の街の様子も知りたいと思い、歩いてみた。立ち直りを見せる場所もあれば、深い傷跡を刻む場所もある

▼途中拾ったタクシーの運転手に「大変でしたね」と話しかけると「岩手の津波被害に比べれば規模は小さいけれどね。でも、かつて泥炭地だった所は亀裂が入ったり陥没したり。市内でもいろいろだ」と答えてくれた

▼同じ札幌でも震度は観測史上市内最大の6弱から4程度までとさまざま。地盤によって揺れや被害の差がはっきりと現れた。久しぶりに耳にした「泥炭地」という語句に、学校で習った北海道開拓の歴史がよみがえる

▼泥炭地とは関係なしに甚大な被害を受けた地域がある。本紙でも詳しく報じている清田区里塚地区。その一帯だけが液状化により家屋が傾いている。近くでは、小学生たちが歓声を上げていた。被災した一部と平穏な周囲との明暗が、むごい

▼谷を火山灰質の土で埋めた造成地という。現場には土砂があふれ出ている。今となってみれば危険そうなのが分かるのに、なぜ家を建てたのか。被災の責任は住民にあるのか。あるいは開発した業者か、許可した行政か

▼そのような問題は今年、他の災害でも指摘された。各地の惨状は現代の土地開発の在り方に警鐘を鳴らしている。