「私たちはQ」のプラカードを持つ人、「Q」のプリントTシャツを着る人。米フロリダ州で開かれた集会での、トランプ大統領支持者の様子だ

▼双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦氏が25日、都内でトランプ政権の行方について講演した際、この異様な光景をスライドで示した。謎の人物「Q」を礼賛する動きが支持者に広がっているとのこと

▼Qは「トランプ氏が米国を操る悪の集団とひそかに戦っている」といった説をネット上に投稿し、その説を支持者が拡散。25日の国連総会演説で、自らの成果を誇示し各国首脳の失笑を買ったトランプ氏だったが、国内の支持基盤は今なお底堅いようだ

▼自説を曲げず、批判的なメディアへの攻撃を続けるトランプ氏。支持者が報道への不信感を高め、現実離れしたネット情報をうのみにする。こうして「Q」は生まれた

▼政権発足後の米国で、国民の思考を封じる独裁国家を描いたオーウェル「1984年」が人気になった。その小説を踏まえた村上春樹氏の小説は「1Q84」。よもや「Q」を予期していたわけではあるまいが

▼「見かけにだまされないように。現実というのは常にひとつきりです」。「1Q84」冒頭の一節だ。日米関係をはじめ混沌(こんとん)とした国際情勢の中で、11月の米中間選挙が迫る。冷静に情報の真偽を見極めたい。