県が本県の北上山地(北上高地)に誘致を目指す国際リニアコライダー(ILC)に関し、関連企業の技術力向上などを目指すILC技術セミナーは27日、大船渡市盛町のリアスホールで開かれた。同市では初めての開催で、産学官の約90人が最先端の加速器技術に理解を深めた。

 本年度3回目となるセミナーは東北ILC推進協議会東北ILC準備室、いわて加速器関連産業研究会が主催。岩手大理工学部の成田晋也教授がILC計画の概要を説明した。

 高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)素粒子原子核研究所の杉本康博理学博士は素粒子反応を捕捉するILC用測定器について講演。測定器建設には極小部品の取り扱いや1万トンを超える重量物の移動など幅広い技術が必要とした。

 県内中小企業の参入可能性については「測定器を組み上げるまでには部品の検査、試験を請け負う企業が近くになくてはならない」とし、電子工業関連企業が集積する必要性を指摘した。京都大化学研究所先端ビームナノ科学センターの岩下芳久准教授の講演も行われた。

 ILCを巡っては誘致後の資機材荷揚げ港として大船渡港の活用が期待されており、市や地元産業界が誘致運動を強めている。