米国の交流サイト大手フェイスブック(FB)の昨年1年間の売り上げは約4兆3千億円。トヨタ自動車の7分の1ほどだが、直近の四半期に限れば、伸び率は約40%に達する

▼成長の理由は、FBを利用する世界約20億人の個人情報を使ったターゲティング広告。この広告は、年齢や学歴、趣味などさまざまな情報を組み合わせて、広告を流す最適な相手を絞り込む。伝えたい情報を、伝えたい人に、直接的に伝える-。FBをPRに使う価値はここにある

▼ただ、行き過ぎと思う活用例もある。米大統領選。英国の選挙関連企業が、FBから最大8700万人分の情報を不正入手し、トランプ氏の当選に利用したとされる疑惑だ

▼真相は定かでないが、米国のFBは「政治への考え方」でも相手を絞り込める。事は超大国のリーダー選び。選挙運動の進化と、単純には割り切れない

▼ターゲティング広告は、日本のネット広告でも既に主流。絞り込みの技術は日進月歩で、スマホを開けば思い当たる節はある。便利さの半面、プライバシーを分析され、知らぬ間に心を操られる不快さは否めない

▼「人々が情報をもっとオープンに交換するようになれば、世界はもっと良い場所になる」とは、FBの創設者マーク・ザッカーバーグ氏の弁。「良い世界」は情報を取り扱う側の節度が前提になろう。