国際リニアコライダー(ILC)の誘致を目指す東北ILC準備室(室長・鈴木厚人県立大学長)は24日、一関市で住民向けに解説セミナーを開く。日本政府による国内誘致の可否判断が目前に迫る中、自然環境や日常生活への影響の有無について専門家が詳しく説明し、疑問や懸念の声に直接答えて正しい理解につなげる。

 同準備室は東北ILC推進協議会(共同代表・大野英男東北大総長、高橋宏明東北経済連合会名誉会長)の下部組織。広報部門長の成田晋也岩手大理工学部教授が技術的な質問に答え、地域部門長を務める県の佐々木淳理事は誘致活動の最新動向を解説する。

 約40分間の質疑を設け、時間内に答えられなかった質問については同準備室や県のホームページに回答を掲載する。

 ILC計画を巡っては、産学官を幅広く巻き込んだ東北、本県の各推進協議会のほか、政治レベルでは超党派のリニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟(会長・河村建夫衆院議員)が国内外で活動を強化するなど誘致機運が高まっている。

 一方、建設候補地とされる北上山地(北上高地)の地元の一部には、誘致に対する懸念の声もある。有志でつくるILC誘致を考える会(一関市)の千坂※峰(げんぽう)共同代表は21日、記者会見し「デメリットも含めた情報をしっかりと県民に伝えてほしい」と訴えた。

 セミナーは県、一関市が共催し、同市山目の一関保健センターで午後3時から。事前予約は不要。成田教授は「きめ細かい情報提供が必要だと考えている。改めて加速器の仕組みなども分かりやすく解説し、皆さんの疑問に答えたい」と語る。

※は「山」へんに「彦」の旧字体