【米アナハイムで本紙特派員・小田野純一】ファウルがエンゼルス・大谷翔平(花巻東高)の打撃急成長の証しとなっている。リーグ前半戦は簡単に打ち取られた球種、コースも後半戦はファウルで粘りながら相手との間合い、球筋をつかみ、次の打席、次の試合へと生かして好結果につなげている。打ち取られても、右肘負傷で投げられなくなってもただでは転ばない。本塁打量産の鍵は、積み重ねる打席の経験が握っている。

 大谷が強烈な長打を放つときは、他の打者同様、追い込まれる前の早いカウントが多い。前半戦ではそこで仕留められないと、簡単に打ち取られる場面が多かった。しかし、後半戦はファウルで粘ることで1打席の球数が増えてきた。9月12日のレンジャーズ戦、第2打席は空振り三振だったが、5球連続ファウルなどで10球投げさせた。

 ファウルの質も良くなっている。一塁側に引っかけた打球が減り、三塁側への飛球が増えた。球をより近くで見極める意識、球の下にバットを潜り込ませて長打を放つ技術が上がっている。

 夏場の不振を乗り越え、打撃のレベルアップを実感している本人に要因を質問すると「今までなら確実に打ち取られている打席を少しでも粘ったり、結局打ち取られる打席でも少しずつの進歩が確実に手応えになって次の打席に生かされている。そういう点でいい打席が増えたと感じている」と説明した。結果以上に過程を大事にする大谷らしい回答だった。